2026年6月30日、熱海市桃山小学校にて、SS伊豆ジュニアの皆さんを対象に、
「カードゲームで学ぶ ドーピング妖怪のお薬教室」を開催しました。
本教室は、静岡県立大学薬学部、熱海市の地域薬局である岡田薬局様、社会人サッカーチームであるSS伊豆との連携により実施した取り組みです。
スポーツチーム、大学、地域薬局がそれぞれの強みを持ち寄り、子どもたちに薬の正しい使い方や、自分の心と身体を守ることについて楽しく学んでもらうことを目的としました。
スポーツチーム・大学・地域薬局が連携したお薬教室
今回のプログラムでは、静岡県立大学薬学部の先生方・薬学生の皆さん、岡田薬局様、SS伊豆の選手・関係者の皆さんが協力しながら、子どもたちに向けた体験型のお薬教室を実施しました。
地域の子どもたちに対して、薬学の専門性だけでなく、スポーツが持つ公平性や自己管理の考え方を組み合わせて届けることが、本教室の大きな特徴です。
また、SS伊豆のトップチームの選手も、子どもたちと一緒にカードゲームや実験に参加してくださいました。
選手と子どもたちが同じ場で学び、笑顔で交流する姿は、スポーツチームが地域教育に関わる意義を感じさせるものでした。
お薬実験で、薬の正しい使い方を体験的に学ぶ
前半では、薬の正しい使い方や、誤った使い方によるリスクについて学ぶお薬実験を行いました。
薬は、正しく使えば健康を支えてくれる大切なものです。
一方で、自己判断で量を変えたり、他人の薬を使ったり、間違った使い方をしたりすると、身体に悪い影響を及ぼす可能性があります。
実験では、子どもたちが目で見て、手を動かしながら、薬の使い方について考えられるようにしました。
単に「薬は正しく使いましょう」と伝えるだけでなく、
なぜ正しく使う必要があるのか、
どのような行動が危険につながるのか、
困ったときには誰に相談すればよいのか、
そうした点を体験を通じて学んでもらうことを意識しました。
当日は小さなトラブルもありましたが、スタッフとして参加した薬学生の皆さんがその都度状況に応じて対応し、無事にプログラムを進めることができました。
現場での判断力や行動力も、このような体験型教育を支える大切な力だと感じます。
ドーピングガーディアンで、うっかりドーピングを体験する
後半では、うっかりドーピング防止カードゲーム 「ドーピングガーディアン」 を活用しました。
ドーピングガーディアンは、薬やサプリメントを選ぶ場面、体調を崩した場面、確認や相談が必要になる場面などを、カードゲームとして体験できる教材です。
子どもたちは、ゲームの中で選択を重ねながら、
- 自分が口にするものに気をつけること
- 迷ったときに相談すること
- 自分の身体を守るために確認すること
- ルールを守ることが、自分や仲間を守ることにつながること
を楽しみながら学びました。
今回はSS伊豆のトップチームの選手も一緒にゲームに参加しました。
子どもたちにとって、普段憧れの対象である選手と同じテーブルでゲームをしながら学ぶことは、非常に印象に残る体験になったと思います。
スポーツにおけるアンチドーピングを題材にしながらも、そこで扱う内容は競技者だけに限られるものではありません。
薬や健康食品との付き合い方、自分の身体への責任、確認や相談の大切さは、子どもたちの日常生活にもつながる学びです。
スポーツの価値を、医薬品適正使用教育へ
本教室では、実験やゲームに加えて、スポーツが持つ価値についてもお話ししました。
アンチドーピングは、単にドーピング違反を防ぐためだけのものではありません。
公平・公正を大切にすること。
ルールを守ること。
自分の心と身体を守ること。
仲間や相手を尊重すること。
こうしたスポーツの価値は、医薬品適正使用教育にもつながります。
薬を使うときにも、
「本当に必要か」
「正しい使い方か」
「一人で判断せず相談できるか」
を考えることが大切です。
スポーツをすることは、単に競技力を高めるだけではありません。
自分の心と身体を守り、仲間を尊重し、より良い社会をつくるための基盤にもなります。
今回の教室では、子どもたちにそのことを少しでも感じてもらえるよう、アンチドーピングと薬の学びをつなげて伝えました。
共同研究としての取り組み
今回の取り組みは、静岡県立大学薬学部との共同研究である
「スポーツの価値を基盤とした体験型医薬品教育プログラムの開発と実装評価」
の一環としても位置づけられています。
現場で実践し、その教育効果を検証しながら、より良い教育プログラムへ発展させていくことも、本活動の重要な目的です。
スポーツチーム、大学、地域薬局が連携することで、従来のお薬教室とは異なる、新しい薬学教育の形が生まれます。
特に、地域に根ざした薬局が関わることで、子どもたちの学びは一回限りのイベントではなく、地域の健康づくりへとつながっていく可能性があります。
スポーツファーマシーの可能性
スポーツと地域を、アンチドーピングやスポーツが持つ価値でつなぐ。
そして、その中に地域薬局が関わることで、子どもたちの学びや健康づくりに新しい価値を生み出す。
今回の熱海市での取り組みは、そうしたスポーツファーマシーの可能性を具体的に示すものとなりました。
スポーツチームには、地域の子どもたちに夢や憧れを届ける力があります。
大学には、教育と研究の専門性があります。
地域薬局には、日常の健康を支える役割があります。
それぞれの強みを組み合わせることで、子どもたちにとって楽しく、記憶に残り、将来の行動につながる薬学教育を届けることができます。
最後に
ご協力いただいたSS伊豆の皆様、岡田薬局の皆様、静岡県立大学薬学部の先生方・薬学生の皆さん、そして参加してくれたSS伊豆ジュニアの皆さんに心より感謝申し上げます。
ドーピングガーディアンでは、今後もスポーツの価値を基盤とした体験型の医薬品教育を、地域や学校、スポーツチームと連携しながら広げていきます。


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