【開催報告】愛知県南知多町でスポーツ鬼ごっことお薬教室を開催|スポーツの価値から学ぶ医薬品適正使用教育

~スポーツの価値を基盤とした医薬品適正使用教育への挑戦~

令和8年8月1日、愛知県南知多町総合体育館で開催された音吉ブレイブ主催「第2回 パラダイス南知多美浜スポーツ鬼ごっこシリーズ大会」にお招きいただき、「お薬実験とカードゲームで学ぶ ドーピング妖怪のお薬教室」を実施しました。

今回のお薬教室は大会プログラムの一つとして実施され、お薬教室の後には、そのままスポーツ鬼ごっこ大会へ参加するという、スポーツと健康教育を融合させた新しい取り組みとなりました。

スポーツイベントだからこそ伝えられる健康教育

「スポーツイベントでお薬教室?」

そう思われる方もいるかもしれません。

私たちが目指しているのは、スポーツを入口として、子どもたちが自分の健康や薬との向き合い方を主体的に考える機会をつくることです。

スポーツをすることは、単に身体を鍛え、競技力を高めることだけではありません。

スポーツには、自分の心と身体を守ること、ルールを守ること、相手を尊重すること、そしてフェアプレーの精神を育むという大切な価値があります。

私たちは、そのスポーツの価値を基盤として、子どもたちが医薬品を正しく理解し、自ら考え、適切に使う力を育む「スポーツの価値を基盤とした医薬品適正使用教育」に取り組んでいます。

お薬実験とドーピング妖怪で「薬を正しく使う意味」を学ぶ

お薬教室の前半では、お薬実験を通して、薬は正しく使うことで健康を支える一方、使い方を間違えると本来の効果が十分に得られなかったり、健康を損なったりする可能性があることを体験しながら学びました。

続いて、「ドーピング妖怪」のキャラクターを活用した講話では、市販薬やサプリメント、オーバードーズなど、子どもたちにも身近なテーマを取り上げながら、「なぜ薬を正しく使うことが大切なのか」を分かりやすく伝えました。

難しい知識を一方的に教えるのではなく、実験で体験し、キャラクターを通して考えることで、子どもたちは楽しみながら薬との正しい付き合い方を学んでいました。

ドーピングガーディアンで考え、相談し、判断する

続いて行ったのは、カードゲーム「ドーピングガーディアン」を活用した体験型学習です。

今回は子どもたちだけでなく、保護者、スポーツ鬼ごっこの指導者、スポーツファーマシストも一緒になってゲームに参加しました。

世代や立場を超えて同じテーブルを囲み、

「これなら大丈夫かな?」

「一度確認してみよう!」

「薬剤師さんに聞いてみよう!」

といった会話が自然と生まれ、会場は笑顔と笑い声に包まれました。

ゲームを進める中では、子どもたち同士で相談したり、高校生が年下の子どもをサポートしたり、大人も本気で考えたりと、世代を超えたコミュニケーションが広がりました。

ドーピングガーディアンは、知識を覚えることが目的ではありません。

楽しみながら考え、話し合い、自分で判断することを通して、「確認すること」「相談すること」「自分の身体に入れるものに責任を持つこと」を自然と身につけられる教材です。

学んだことをスポーツで実践する

お薬教室の後は、参加者全員でスポーツ鬼ごっこ大会に参加しました。

幼稚園児から小学生、高校生、そして大人までが同じフィールドに立ち、年齢や経験を超えてスポーツ鬼ごっこを楽しみました。

小さな子どもが全力でトレジャーを目指して走り、高校生や大人がその姿を支え、励ましながらプレーする姿はとても印象的でした。

試合が始まれば誰もが真剣です。

勝利を目指して本気で走り、本気で守り、本気で仲間を応援する。

しかし、試合が終われば笑顔で互いを称え合い、自然とハイタッチが交わされていました。

スポーツ鬼ごっこには、勝敗だけではない価値があります。

ルールを守ること。

相手を尊重すること。

仲間と協力すること。

そして、誰もが安心してスポーツを楽しめる環境をつくること。

こうしたフェアプレーの精神は、私たちがお薬教室で伝えているアンチドーピングの理念とも共通しています。

アンチドーピングとは、禁止物質を覚えることではなく、公平な環境を守り、自分の心と身体を守り、正しい判断ができる力を育むことです。

お薬教室で学んだことを、その後のスポーツ鬼ごっこで実践できたことは、このイベントならではの大きな価値だったと感じています。

 

スポーツファーマシストが地域で果たす役割

今回のお薬教室では、愛知県と三重県のスポーツファーマシストの皆さんにもご協力いただきました。

スポーツファーマシストというと、トップアスリートへのアンチドーピング支援や競技現場での活動を思い浮かべる方が多いかもしれません。

もちろん、それは重要な役割です。

しかし、その専門性はトップアスリートだけのものではありません。

スポーツを楽しむ子どもたちや地域の人々へ、スポーツの価値を通じて医薬品適正使用を広め、自ら健康を守る力を育んでいくことも、これからのスポーツファーマシストに求められる大切な役割だと考えています。

今回、愛知県と三重県のスポーツファーマシストが県境を越えて協力し、一緒に子どもたちへ学びの場を提供できたことは、その新しい可能性を示す取り組みとなりました。

スポーツファーマシストの役割は、トップアスリートへのアンチドーピング支援と地域における健康教育、その両方にあります。

スポーツの価値を地域へ還元し、医薬品適正使用や健康づくりへとつなげていくことこそ、これからのスポーツファーマシーが目指す姿だと考えています。

スポーツファーマシーの新しい可能性

今回の取り組みを通して改めて感じたのは、スポーツファーマシーにはまだまだ大きな可能性があるということです。

スポーツ団体、地域薬局、スポーツファーマシスト、大学、そして地域が連携することで、スポーツは競技力向上だけではなく、地域の健康づくりや医薬品適正使用教育にも大きく貢献できます。

スポーツを通じて、心と身体を守る力を育てる。

その実践の一つが、今回のスポーツ鬼ごっこ大会でのお薬教室でした。

おわりに

このような貴重な機会をいただいた音吉ブレイブの皆様、ご参加いただいた子どもたちや保護者の皆様、大会運営に携わられたすべての関係者の皆様、そしてご協力いただいた愛知県・三重県のスポーツファーマシストの皆様に心より感謝申し上げます。

スポーツには、人を育て、地域をつなぎ、健康を守る力があります。

私たちはこれからも、スポーツの価値を基盤とした医薬品適正使用教育を実践し、スポーツと薬学をつなぐ「スポーツファーマシー」の可能性を広げていきます。

トップアスリートへのアンチドーピング支援と、地域でスポーツを楽しむ子どもたちへの健康教育。

その両輪を大切にしながら、スポーツが持つ価値を社会へ還元し、地域の健康づくりにつながる新しいスポーツファーマシーの実践をこれからも積み重ねていきたいと思います。

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