【活動報告】浜松市立竜禅寺小学校で「ドーピング妖怪のお薬教室」を実施しました(1/26)

1月26日、浜松市立竜禅寺小学校にて「ドーピング妖怪のお薬教室」を実施しました。
本記事では、今回の実施内容と、ここに至るまでの取り組みの流れ、そして今回の企画の意味についてご報告します。


この取り組みは「8月(島田)」「12月(三島)」の続き

今回の企画は、8月に島田の学童12月に三島で実施した「ドーピング妖怪のお薬教室」の流れを引き継ぐものです。
実施を重ねる中で、子どもたちが“聞く”だけではなく、“体験する”ことで理解が深まる場面が多いこと、そして地域の現場に合う形に少しずつ磨いていけることを実感しています。

本事業は、静岡県立大学薬学部 臨床薬剤学分野が実施主体となって進めている、セルフメディケーション財団の事業の一環として、県内スポーツファーマシーと県立大学が連携して実施する企画です。
そしてこの企画は、単なる健康教育にとどまらず、「スポーツの価値(フェア・努力・自己管理・仲間を尊重する姿勢)を基盤にした学び」として設計しています。
アンチドーピングをアスリートの世界だけに閉じず、地域の子どもたちの「薬の正しい使い方」や「選択の力」につなげていく——つまり、アンチドーピングの社会実装の一環として、地域で実践している取り組みでもあります。


今回の体制:地域×大学×コンテンツの連携

今回は、県内スポーツファーマシーの連携企画として西部地区での実施となり、私はコンテンツ全体の世話人として、また「ドーピングガーディアン」開発者としてサポートに入りました。
(運営面は地域側が担い、大学側が教育・薬学的な裏付けを支える体制で進めています。)

また、お薬実験やゲーム体験のサポートには、先週インドネシアでお薬教室を実施してきた薬学生も協力してくれました。
実践を経た直後の薬学生が入ることで、声かけや進行のテンポ、安全面の配慮がより安定し、子どもたちが安心して参加できる空気づくりにもつながりました。


国内版としての位置づけ:SFTとほぼ同様の教育コンテンツ

このプログラムは、私たちが取り組んでいるSFT事業(スポーツの価値を基盤とした体験型薬学教育プログラム)と、ほぼ同様の教育コンテンツを国内で実施する取り組みでもあります。
海外で得られた学びや手応えを、地域の場に合わせて国内で展開し、相互に継続して改善していく——そうした意味でも、今回の実施は大きなステップでした。


今回の大きなアップデート:アスリート(山田大記さん)の参加

これまでの実施の中で、「子どもたちがさらに自分ごととして受け取るために、もう一つ必要なピースがある」と感じていました。
それが、アスリートの存在です。

今回はゲストとして、
山田 大記さん(浜松市出身/元日本代表/現ジュビロ磐田CRO)
をお迎えし、イベント全体を通して参加していただきました。

子どもたちは、山田さんと一緒にお薬実験や、「ドーピングガーディアン」を体験。
「プロアスリートと同じ空間で、一緒に体験し、一緒に学ぶ」ことは、単なる記念写真以上の価値があると感じます。学びが“特別な記憶”として残りやすくなるからです。


実施内容:講話・実験・ゲーム体験——体験が学びを引き上げた

当日は、講話・実験・ゲーム体験を組み合わせた体験型プログラムを実施しました。
知識を一方的に伝えるのではなく、子どもたちが「見て」「驚いて」「考えて」「選んでみる」流れを作ることで、薬の話が“難しい話”ではなく“自分の生活に関係する話”として立ち上がっていきます。

特に実験パートでは、変化が起こるたびに子どもたちから自然に声が上がり、学年差があっても同じ驚きや笑いが共有されて、場の一体感が生まれていきました。
その状態で講話に入ると、聞く姿勢や反応が明らかに変わります。「理解させる」よりも前に、「知りたい」「もっと見たい」という気持ちが立ち上がることが、体験型の強みだと改めて感じました。

ゲーム体験では、カードを使いながら“判断”や“選択”を繰り返すことで、アンチドーピングの考え方や医薬品の適正使用が、押し付けではなく行動として理解されていく手応えがありました。
「楽しい」だけで終わらず、“考えたことが残る”体験になっていたと感じます。


“社会貢献”を本質に戻す:スポーツの価値を医薬品適正使用へ変換する

スポーツやアスリートの社会貢献は重要視される一方で、実施されているものの中には、スポーツの本質からずれてしまっている事例も少なくないと感じることがあります。

今回は、山田さんに

  • ご自身のドーピング検査の経験

  • 日頃から意識していること
    などを共有していただきました。

それは単なる“ゲスト参加”ではなく、スポーツが本来持つ価値(フェアであること、積み重ねること、自分を律すること)を、医薬品の適正使用へと自然に接続する時間になりました。
子どもたちにとっても、「ルールを守る」ことが“禁止されているから”ではなく、“自分の体と未来を大切にするから”という感覚に変わっていく入口になったのではないかと思います。

そしてここに、スポーツファーマシストの役割があります。
スポーツファーマシストは、アスリートがアンチドーピングを「ルールとして守る」ことを支えるだけでなく、その価値や学びを地域に届け、より良い社会をつくるためのつなぎ役にもなれる——今回の取り組みは、その可能性を示す一例になりました。
アンチドーピングを“競技の中の話”で終わらせず、子どもたちの生活に近い「薬との付き合い方」へ落とし込むことも、社会実装の重要な形だと考えています。


おわりに

今回の実施にご協力くださった関係者の皆さま、そして山田大記さんに心より御礼申し上げます。
薬局、ドラッグストア、大学、プロアスリート——それぞれが専門性を発揮し、地域の子どもたちのために同じ目的で動く。こうした連携は、スポーツの新たな活用であり、地域の健康教育の可能性を広げるものだと感じています。

今後も、スポーツの価値を基盤とした学びとして、そしてアンチドーピングの社会実装の一環として、体験型の薬学教育を地域に根づかせる実践を続けていきます。


お問い合わせ(実施をご検討の方へ)

本プログラム「ドーピング妖怪のお薬教室」は、みどりや薬局が企画・考案を担当している体験型の薬学教育コンテンツです。
教育機関(小学校〜高校)、学童・放課後支援、スポーツ団体、地域イベントなど、実施先の目的や年齢層、時間枠に合わせて内容をアレンジして実施することが可能です。

「うちでもやってみたい」「まずは話を聞いてみたい」という教育機関・団体の方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。

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