「レッドハリケーンズ大阪とお薬教室」を東淡路小学校で実施!

2025年6月19日、大阪市立東淡路小学校で、学校薬剤師を務めるエルシー薬局を中心に、プロラグビーチーム・レッドハリケーンズ大阪と連携した薬学教育の授業が行われました。 この授業では、教育用カードゲーム『ドーピングガーディアン』を教材として使用し、児童たちはアスリートや薬剤師とともに、薬との正しい付き合い方について体験的に学びました。

レッドハリケーンズ大阪の取り組みとその背景

ジャパンラグビー リーグワンに所属するレッドハリケーンズ大阪では、選手の健康と競技の公正性を守るため、アンチドーピングや薬物乱用防止の重要性が強く認識されています。 2024年10月には、私たちスポーツファーマシストが中心となってチーム内でアンチドーピング研修を実施し、その中で『ドーピングガーディアン』を体験教材として活用。選手たちは、実際の競技生活に即したシナリオの中で、医薬品やサプリメントの選択にまつわるリスクや注意点を具体的に学びました。

この研修を通じて得られた気づきや意識は、単に個人の知識習得にとどまらず、「この学びを地域にも還元したい」という想いに発展。 今回の東淡路小学校での授業は、その延長線上にある活動であり、学びの循環を社会の中で実践する新しい形として位置づけられています。

 

 

前半は薬学講座

授業はまず、東淡路小学校の学校薬剤師でスポーツファーマシストでもある吉岡氏による講義から始まりました。 薬の正しい使い方やスポーツ、熱中症に関する知識など、児童にとって身近な具体例を交えながら、薬の基礎知識を丁寧に解説する内容が展開されました。

この講義によって、児童たちの頭の中には「薬にどう向き合えばよいか」という視点が自然と芽生え、後半の体験学習へとスムーズにつながっていきました。

後半:『ドーピングガーディアン』を活用した体験学習

講義に続く後半では、『ドーピングガーディアン』を活用した体験型の学習を実施。 6年生2クラスの児童がグループに分かれてテーブルを囲み、カードに描かれた薬やサプリメントに関するシチュエーションをもとに、自分たちで内容を読み取りながら、どのカードを出すか、どうプレイするかを相談し、協力してゲームを進行していきました。

この日は、レッドハリケーンズ大阪から坂本洋道選手と冨岡周選手の2名が参加。各グループに加わり、児童と一緒にカードの内容について考えたり、薬に関する意見を交わす姿が随所に見られました。 薬剤師もそれぞれのグループを回りながら、補足や助言を行い、児童の考えを引き出す役割を担っていました。

楽しさの中に、考えるきっかけがある。遊びの延長ではなく、対話と判断を通して理解を深めていく学習体験として、教室全体に活気と集中が共存する時間が流れていました。

判断力を育てる、対話のある教材として

『ドーピングガーディアン』は、正解を当てることではなく、「なぜその判断をしたのか」を言葉にすることを重視した教材です。 この日も、選手や薬剤師と児童の間で、何気ない問いかけやうなずきが交わされる中で、自分の考えを整理したり、他者の視点を受け入れたりする姿がありました。

競技現場で判断を求められるアスリートと、これから様々な選択をしていく子どもたちが、同じカードゲームを囲みながら、薬に対する“考える力”を共に高めていく。 それは、単なる学びではなく、相互に育ち合う時間でもありました。

 教育・医療・スポーツの連携が生んだ実践モデル

今回の授業は、学校薬剤師による講義、プロスポーツ選手による学びの共有、そして体験型教材の導入という三者の協働によって成立しています。 『ドーピングガーディアン』は、そうした多様な立場をつなぎ、対話と気づきを促す媒体として機能しました。

今後もこうした連携が広がることで、薬物教育やアンチドーピング教育がより実践的なかたちで地域に根づき、子どもたちの中に“自分ごと”としての理解が育まれていくことを期待しています。

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